『Farcus』 RALLYE price : ¥2,415 release : Now On Sale
「楽園」の快適音
とりわけ耳に残るなメロディがあるわけではない。超絶技巧の演奏が聴けるわけでもない。ドラマティックな曲の展開すらない。ただただ「心地よい音」が流れていったり、繰り返されたり……。多重録音された生楽器の響きと抑え気味の電子音・エフェクト処理。なんかすっきりしない、疲れ気味の「脳ミソ」を「解放」させるには、最適の「楽園の音」かもしれない(たとえば、温泉に入って「フィ?」と伸びをしている気分に似ているかも……)。 rei harakamiさんの音楽を、もっと「音響」寄りにした感じともいえるかもしれない。
FANTASTIC PLASTIC MACHINE=田中知之は、ストリングスや女性コーラスを巧みに使った、ファンタジックでドリーミーなエレクトロニック・ミュージックが身上といえる。この4枚目のアルバムも「Reaching for the Stars」「Never Ever」などでそうした“田中印”の音が炸裂するのだが、全体としては前作までのラウンジ色やエンターテインメント色がやや後退し、シンプルな音作りになった印象だ。特に目立つのがギターの多用。シングル・ヒットの「Why Not?」はアコースティック・ギターをフィーチャーしたエレクトロニカ的アプローチだし、「Philosophy」などはアヴァンギャルドなノイズ・ギターとラップとがからみ合うエクスペリメンタルな曲だ。それらは、今の田中のパーソナルな音楽的興味がストレートに表れたものなのだろう。彼のポップ・センスと実験精神が、絶妙のバランス感覚で示された作品である。(小山 守)
80年代〜ニュー・ウェイヴの再評価が高まる中、またしてもYMOにスポットが当てられたトリビュート・アルバム。テクノ〜クラブ系人脈に限らず、幅広い視点から集められたラインナップで、多角的にYMOの魅力を掘り起こそうとする姿勢がうかがえる。 ファンタスティックなハウスのSUGIURAMN、シカゴ音響系的なアプローチのクラムボン、スカ・ヴァージョンのLOW IQ 01など、それぞれがまったく異なる切り口だ。特に見事なのは高野寛。後期の名曲「CUE」をアコースティック・ギター主体のやわらかなエレクトロニカに変容させ、原曲をリスペクトしつつ彼の世界に染め上げた曲に仕上げた。これらのカバーからはYMOの多様な音楽性が浮かび上がってくる。曲のポピュラリティも今なお色褪せていないことがわかる意義深い作品だ。(小山 守)
2006年7月20日リリース。DVDとCDの組み合わせがこんなにいいと思わなかった。DVDが良くできていてこんな風にやっているのか、とファンに公開して見せてくれている感じで凄く嬉しかった。MUSICAL FROM CHAOS2 [Limited Edition] /DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN も同じDVD+CDの組み合わせだがこっちの方がもっとイイ。
VERSUSであるからしてミュージシャンとミュージシャンの対峙による競演という意味である。この組み合わせがなかなか良くて、僕が特に気に入ったのは高木正勝VS南博、半野喜弘VS菊地成孔、DJ KENTARO+DJ BAKU VS芳垣安洋+岡部洋一の3つだ。どの組み合わせも初顔合わせのようだ。インナー・スリーブにはVS同志の握手写真などもあってなかなかイイ。
Corneliusの"EVERYTHING NEEDS LOVE"から"BLZ"、"SHAKE YA BODY"の繋がりはこの作品の中でも、かなりのハイライト部分だと思う。静かな場所から生まれた音が、少しずつ拡散されていき、ゆったりとビートが渦を巻き始める。そして"SHAKE YA BODY"まで到達した時に、自分でも知らぬ間に、最高の高揚感の中に入り込んでいて、自然に体が動いてしまっている。正にそんなドラマを感じさせる部分であるように思う。言葉で言うとリミックスではあるけれど、充分楽しめる内容であるので、ファンの人も、そうでない人も決して聴いて損のない作品であると思う。
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